転職マスターの転職人生 信用金庫編3
転職マスターです。
さっそく、模擬紙幣を100枚渡されました。1万円札と同じ大きさの模擬紙幣です。
これは自宅に持ち帰っても良いので、研修が終わるまでに縦横の札勘が出来るようなれとのお達しです。
早速、練習を始めます。
先ずは縦勘。お札の束の底辺を左手の小指と薬指の間にあてて、 クルっと巻いて人差指と親指で挟みます。
ここからがプロの技。左手の親指で札を一枚ずり下げて、右手の薬指ので弾きます。これを繰り返す。最後の一枚だけ、右手の中指で強めに弾いて、パチンと音を出します。
縦勘は良いんです。
慣れれば誰でも出来るようになります。
問題は横勘なんですよね。
みな、縦勘を一通り終えると横勘の練習に入りました。これはもう
拝むしかない
拝むとは気持ちも横勘の姿にも言えることなんですが、みな聖徳太子が笏を持つ姿のように、札束をを両手で縦に持って、ただひたすら
ヒラケー、ヒラケー
と拝むのです。
実際、横勘は指先の微妙な力加減だけの問題なので、コツを掴んだ人には簡単でパッと開きます。
ですが、開かない人はトコトン開かない。
その日開いたのは、たった1人でした。
転職マスターの転職人生 信用金庫編2
転職マスターです。
とうとう、初出勤の日が来ました。
朝9時に本店の会議室集合。
もちろん、8時30分には会社に行きました。
緊張の中、会議室に向かいます。
もうすでに来ている人も数人、後からも数人。総勢で30人くらい。
みな緊張の面持ちで9時を待ちます。
9時になると、人事の方がいらっしゃって軽く話しをすると、役員面接の時の面々が入室し、理事長からご挨拶頂きました。
いやー、なんかスゲー。会社入ったんだー
って感じですね。
理事長のお話が終わると、役員は退出し、また人事の方々だけが残りました。
そこで、色々説明がありました。
・今日から新入社員研修
・研修期間は2週間
・ビジネスマナーから信用金庫金庫の業務まで幅広く知識を実技を学ぶ
・特に札勘、ソロバンは今でも銀行業でとても大事なので毎日行う
・最終日に配属先を言い渡す
こんな感じです。
初日は早速、札勘とソロバンです。
わたしはソロバン2級持っているので、楽勝でした。
が、問題は札勘。
最近はあまり見かけませんが、銀行や郵便局でベテランの方がお札を扇状に開いて数えてますね。あれが横勘。一枚一枚めくって、最後にパチンと鳴らす、あれを縦勘と言います。
転職マスターの転職人生 信用金庫編1
転職マスターです。
大学4年の3月。
明後日から信用金庫で働く、これからずーっと働き続ける。遊び、色んなことを学んだ学生生活もあと1日。
もう会社に行きたくなくて行きたくなくて仕方ありませんでした。
だいたい、ずーっとこんなグウタラな生活をしていて、朝起きられるのか?
なんか銀行は朝が早そうだし、夜も遅そう。
そもそも、銀行の仕事ってなんだよー
不安だらけ。
良く、不安と期待でいっぱいでしょうとか言われますが、期待などほぼナシ。不安でいっぱい。
それでも時間は経って行く。
初出勤前に、社会人になって良かったのが
家に風呂とトイレがある
学生時代は風呂なしトイレ共同だったので、自分が入りたいときに風呂に入れて、行きたいときにトイレに行けるこの幸せ
偉くなったもんだ
ここが例の1名だけ入れると言われた寮。寮と言っても借り上げのマンションの1室。
しかも東横線沿線で駅まで自転車で5分。渋谷までも電車で15分。
今考えてみチョーいいとこ。
築年数はかなり経っていましたが、それでもチョー便利な立地で寮費は1千円/月。
サイコー
でも、もうすぐ初出勤…。
不安は消えません…。
転職マスターの転職人生 就職活動編11
転職マスターです。
まだ内定を取れていなかったわたしは、まだ面接を受けられる企業を探して就職活動を続けていました。
某信用金庫の最終面接が終わって1週間くらいして、自宅の留守電に留守録が入っていました。某信用金庫の人事からでした。
折り返しご連絡頂きたいとのこと。
緊張の時がやってきました。
これってかなりの人生の分岐点。
受話器を手に取り、留守電に残された某信用金庫人事に電話をしました。
結果は、内定でした。
長かった…。
辛かった…。
厳しかった…。
でも、懸命にあがいてもがいて、自宅外1名という狭き門をくぐることが出来ました。
もちろん、内定をお受けすると伝えて電話を切りました。
すぐに周囲のお世話になってい人たちに連絡をしました。
就職活動は体力だ!と自分に言い聞かせ、就職活動を始める前と比べて、体重は3kg増えていました。
痩せねば…。
兎にも角にも、長かった就職活動が終わって、4月からの仕事が決まりました。
わたしは信金マンになることになりました。
転職マスターの転職人生 就職活動編10
転職マスターです。
わたしの父親はわたしが中学1年の時に家を出ました。もともと、わたしの祖父が始めた工務店を継いで社長をやってました。小さいながらも数人の社員を抱えていました。
後から知った話ですが、不渡手形を摑まされたそうです。それで資金繰りが行き詰まり、倒産。彼は家を出て行きました。
よくある話です。
そんなことはどうでも良い。
彼は倒産時に、わたしが受けていた地方銀行に多額の借金があった。
わたしが学生時代に住んでいた家賃2万8千円、風呂なしトイレ共同のアパートの大家さんが
「最近、色んなところから転職マスターの素行について聞かれるの」と仰っていました。
今はないのかもしれませんが、かつては内定を出す前に企業側は素行調査を行なっていました。金融機関ならば尚更のこと、学生本人の家族、親族、素行など色々調べてたようです。
わたしの父親が多額の借金を残して会社を倒産させた。
それが不採用の直接の原因かはわかりませんが、自分は自分にそう言い聞かせて、覆ることのない結果を飲み込みました。
これで、残ったのは某信用金庫の最終面接結果待ち。その門は、自宅外1名という狭き門。
転職マスターの転職人生 就職活動編9
転職マスターです。
某信用金庫の最終面接は1対7の役員面接でした。
顔ぶれの中には、先日面接を受けた人事部長もいらっしゃいました。
面接自体は10分くらいだったと記憶していますが、内容は全く覚えていません。ただ、極度に緊張していたのを覚えています。
この面接が通れば長かった就職活動も終わる。
逆に落ちたら、ミスったら、この先の人生どうなるんだ…。
そんなプレッシャーを自分で自分に与えてしまっていました。
何を考えても、面接は終わりました。
まさかここまで来れるとは正直思っていませんでした。自宅外は1人だけという超狭き門。
後は神のみぞ知る。
某信用金庫からの面接結果が来る前に、某地方銀行から結果が来ました。
こっちは大丈夫だよねー
ルンルン
と封書を開けると、
不採用
は?
なんで?
なぜ?
あそこまで行ったら、決まるんじゃないの?
頭に中は真っ白です。
最悪、田舎に帰ることも考慮しなくてはならないかと覚悟もしていたのに、その道さえ閉ざされてしまった…。
なぜ落ちた…。
後から情報収集したのですが、多分、わたしの父親が関係している可能性が高いことが分かりました。